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第5話 

ผู้เขียน: アイさん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-12-16 13:30:39

「…ふわぁーーー…今日はなんだか疲れたなー。」

眠さで大きなあくびをするミーナ。

ロフィスの一件の後、グレンとミーナは町の外れにある綺麗な水辺の近くに寝泊まりすることにした。

「けどグレンの空間能力はすごいね。なんでも収納可能じゃん。」

テントや寝泊まりするために必要な道具はグレンの空間能力のポケットから引き出した。

「…そういや、エバルフさんが言ってた事ってほんとかな?」

ミーナはエバルフ達と別れる際に、エバルフからこんな事を聞いた。

昼間

ロフィスを倒した後、エバルフ達はグレン達の方に向かって一列に整列した。

「今回の件に関しては、紅の悪魔祓いの協力で獄魔の討伐に見事成功した。感謝する。それと、お嬢ちゃん。…ありがとう、君のおかげで騎士団の誇りを思い出せた。」

「全隊、礼!!」

そしてエバルフの号令でエバルフと部下達は全員揃って頭を下げた。

「俺を捕まえなくていいのか?ずっと狙ってたんだろ?」

「まさか、今日俺たちの命を守ってくれた恩人を捕まえるわけないだろう。…では、俺は今日の事を騎士団の団長に報告しなければならんからここで失礼する。」

エバルフ達は去ろうとしたがエバルフは最後に振り返ってからこう言った。

「一応言うが団長には気をつけろよ。あの方はお前みたいな強い奴と戦うのが好きだから会えば必ず戦いになる。そうなったら流石のお前も命はないぞ。」

それを最後に言い残し、部下を引き連れて去っていった。

「………命はないぞ…っていう事はグレンより強いのかな?」

悪魔を余裕で倒すグレンに勝つかもしれない人なんて相当強いに決まってる。

「だとしたらグレンとその団長は近づけてはいけないわ。…そういえばグレンは裏で何してるんだろ?」

ミーナはその事を伝えるためにテントの裏に顔を出してみた。

そこには何やら坐禅を組みながら目を瞑り、魔法書のような物を開いていた。

その周りを囲む様に黒い魔法陣が地面に展開され、そこでひたすら呪文のような物をブツブツと唱えていた。

ミーナはよく聞き取れないので気づかれないようにそーっと近づいて聞いた。

「(何だろう…?こんなに近くで聞いてるのに何言ってるのかさっぱり…)」

ミーナはここで邪魔するのもグレンに悪いと思ったのか終わるまでそばで待つ事にした。

おいっ、お前!

「ん?…今声が聞こえたような…」

探さなくていい!前見てみろ!

突然誰もいないはずなのに聞こえてきた声を探していたミーナはその声の言う通り目の前のグレンを見た。

しかし、グレンはずっとブツブツと呪文を唱えているので声をかけたのは他の人…。

でも誰が?

(そうだ、俺はお前が見てるところにいる!)

「えっ?もしかして、グレンなの?」

しかし、グレンはこっちを見る事なくブツブツと呪文を唱えてるだけなのに声の発生源はグレンの方からだった。

(そうだ。俺はグレンの中からお前の心に話しかけてんだよ。)

「グレンの中から?…もしかして悪魔なの?」

(ああ、そうだ!確かこいつのもう一つの人格が言うてたろ?俺は契約によってこいつと共存してるってな。)

その悪魔は姿は見えないがその不気味で低い声を聞けばどれだけ恐ろしい悪魔なのかミーナでも判断できた。

「…あなたが、グレンを悪魔祓いにした悪魔なの?」

(だったらなんだよ?大体俺がいなかったらこいつは死んでんだぜ?…そんなことよりもよ、今はこいつの邪魔しない方がいいぜ?)

「グレンは何してるの?」

ミーナが話しかけてもグレンは呪文をずっと唱え続けているがその中にいる悪魔は言った。

(こいつは今 魔導の扉(マジックゲート)に行ってる。)

「魔導の扉って何?」

(お前らでいう勉強みたいなもんだ。まだ習った事のない教科は勉強して身につけるだろ?こいつはああやってブツブツと呪文唱えることで魔法を習得する事が出来るんだよ。)

「へ、へぇー」

普段から勉強していないミーナはあまり共感出来なかったのか適当な返事を返した。

「勉強しなくても楽に魔法が手に入るなんていいなぁー。」

(あ?誰が楽に手に入るって言ったよ?魔導の扉は約30分で新しい魔法を習得出来るがその分デメリットもある。)

「デメリット?」

(ああ。あれはその30分間意識をある場所に持っていかなければならないからな。下手したらそのまま意識が戻らなくなる。)

「えぇ!!そんな危険なのこれって!?」

(うっせーな…デカイ声出すんじゃねーよ。だから意識を持ってかれないように呪文唱えてんだろ?)

「なるほど。ああやって集中を切らさないようにしてるのね?」

(そうだよ!…ったく…そろそろあいつが戻ってくるからあばよ!)

そう言い残して悪魔の声は聞こえなくなり、呪文を唱えてたグレンは目を開けると魔法陣が消えていった。

目を開けるとそこにミーナがいたので気づいた。

「…なんだ、いたのか」

「うん、ちょっとね。その…何してたの?」

「なんでもいーだろ?…明日は朝早くに出発するから今日はもう寝ろ。」

ミーナに教えるのが面倒くさいのかミーナを押しのけてグレンはテントの中に戻っていった。

「何よ、ほんっと自分勝手ね!別に知ってるからどーでもいーもん!」

文句を言いながらミーナもテントの中に戻った。

一方、エバルフは今回の出来事を伝えるために騎士団に戻った。

石造りの建物の扉を開けるとそこには1人の女性が騎士団の鎧を身につけて立っていた。

「あら、帰って来たのね。12騎士長。」

その女性は鎧を身につけているが金髪で目の大きい美人な人だった。

「そういうお前は何してるんだ。10騎士長(テン・ナイツ)。」

「その呼び名はやめてちょうだい。2人っきりの時くらいカレンって呼んでちょうだい。」

「…お前、それ誰にでも言うんだな…。」

この騎士団は12人の強い騎士を○騎士長と呼ばせていて、強いものほど低い数字の騎士長と呼ばせていた。

しかし、カレンはそう呼ばれるのが嫌いだった。

なぜなら

「だって~、男には名前で呼んでもらいたいもんー!」

「ハァー…そんなんだからお前は20代後半になっても彼氏すら出来な……痛たただだだだ!!」

「今なんかいった~?」

「何も言ってませーん!言ってないから捻りながら俺の足を踏むなー!!」

笑顔のままエバルフの足を踏みつけるカレン。

そんな事をしてると誰か他の奴が帰って来たのか扉が開いた。

「おーい、帰ったぞー…って、何してんの?」

扉を開けたのはグレンと同じ10代後半でエバルフやカレンとは違う黒い服を纏い、腰には二刀の長剣をぶら下げていた。

一見少年に見えるその男にエバルフとカレンは姿勢を正して。

「「お、お疲れ様です!団長!!」」

そう、この男こそが大国イフリークの魔法騎士5000人を従える団長だった。

「そんな堅苦しいあいさつしなくていーよ。みんな俺より年上なんだしさ。」

「い、いくら私たちの年が上だとしてもあなたと私たちでは騎士としての位が違いますよ!」

「そ、そうです!俺みたいな一番位の低い12騎士長が団長に失礼な態度など取れるはずありません!」

「はは、そんな事ないよ!…で、2人は何こんな所で仲良く痴話喧嘩してるの?」

「「してません!!」」

団長にからかわれて2人は同時に声をあげて否定した。

そのあまりにも息がぴったりだったので団長はクスクスと笑った。

この国の魔法騎士団団長は先ほどからエバルフとカレンが言うように年は低くてもこの国で一番強い魔法騎士であり、5年も前から団長を務めていた。

身長は少し低めだが一見黒髪で幼い顔つきでパッと見ただけでは普通のカッコいい少年に見える。

しかし、その強さは歴代の中でもずば抜けていて言い表すとこの国の5000人の魔法騎士を1人で相手し倒せる程の力を持っていると言われている。

「えー、結構似合ってると思うんだけどな。お二人さん。」

「「似合ってません!」」

またまた息ぴったりのお二人さん。

「あはは!…まあ、それはさて置き…10騎士長は何してたの?」

「わ、私は少し任務に行ってたので疲れて休憩してました!」

カレンは団長にそう言うが目が違う方向に向いてたのでエバルフはこれは嘘だなっと心の中で思った。

団長も同じように思ってたのか。

「え、君が任務の後に疲れて休憩なんて珍しいね?」

っと疑いの目でカレンに聞いた。

「えっと…そ、そうなんですよ!日頃の疲れが溜まってたのかもうクッタクタで、あははは!」

カレンよ、分かり易すぎるぞそれは。

団長はハァっとため息をついて今度はエバルフの方を向いた。

「……まあ、いいや。12騎士長は今日何してたの?」

「俺は今日……悪魔を討伐しました。」

その一言で場の雰囲気が凍りついた。

「あ、あなたが悪魔討伐ぅ?全く、嘘つくならもうちょっとマシな嘘にしなさいよ!」

お前に言われたくねーよ!

しかし、団長は真面目な顔になり。

「ほう、悪魔をね。確かに君の力ではまだ悪魔を倒すとこまでは無理なはず。到底1人では倒せないはずたが……もしかすると誰かの手を借りたのですか?」

「……はい。今回は、悪魔祓いの力を借りて倒しました。」

「あ、悪魔祓い!?あんたあった事あるの!?」

悪魔祓いに異常に反応するカレン。

「あぁ。それも長年俺が追いかけていた妹の仇と思ってた男だ。」

「仇だと…思ってた?」

「俺の妹を殺したのはその悪魔祓いではなく、俺の部下だったロフィス……いや、悪魔だ。」

「ロ、ロフィスが……あなたの妹さんを…」

エバルフの言葉にカレンは口に手を当てながらフルフルと震えていた。

しかし、団長だけは。

「……なるほど、あのロフィスが悪魔だったなんて気がつかなかったよ。それで、そのロフィスを倒した悪魔祓いは今どこに?」

「分かりません。しかし、あの男は私の命の恩人です。どうかあの男に戦いをいどむのはやめて下さい!」

エバルフは急に慌しく団長に戦いを避けるように言った。

その理由は。

「何故?…その悪魔祓いって強いんでしょ?だったら戦わないと損じゃないか。」

「損とかの問題ではなく、あの悪魔祓いは全属性の最上級魔法を使いこなせる異端な男です!そんなのとガチで戦えば私たち騎士団の部下やあなたもただでは…」

「12騎士長。君は何か勘違いしてないかい?」

すると団長は腰にぶら下げている二刀の剣を抜くと口角を吊り上げ笑いながら言った。

「ふふっ…俺はさ、ただ単純に強いやつとの戦いが好きなんだよ!騎士の使命とか関係なくね!悪魔祓いが異端?上等だよ!だったら俺の力でねじ伏せれば良いだけの話だ!」

そう、これがエバルフが戦いを避けた理由だった。

この団長は見かけとは裏腹に強さを求める戦闘狂であり、戦いになると場所に関係なく辺り一面を壊滅させるので最近は年を重ねるごとに報酬よりも町の被害額の方が多くなっていた。

こんな自由気ままな性格でも騎士としての才能や魔力は他の者に比べるとずば抜けてるので周りからは信頼されていた。

「けど、すぐには戦わないさ。今日は任務終わりで体が戦う気分じゃないし面倒くさいしね。とりあえず俺はシャワー浴びて寝るわ。えっと…12騎士長の報告はそれだけだよね?」

「あ、はい!それだけです。」

団長はそれだけ聞くと奥にあるシャワールームのある部屋に入った。

「ふぅー……全く、団長の戦い好きときたら逆に尊敬するぜ。」

「そうね。あの人は生まれながらの天才だから私たちとは考え方が違うのよね。…あ、そういえばあなたこれから暇?」

「え、いや。別に何もないが。」

「じゃあさ!今からちょっとコレの相手して~?」

カレンは腰にぶら下げている剣を指差して言うがカレンがこれを言うと別のことに聞こえる。

「なんで語尾にハートがついてんだよ気持ち悪い。別に良いけどよ。」

「気持ち悪いってひどっ!もう怒った!あなたがクタクタになっても止めないから覚悟しなさ~い!」

「ハァ…こいつ顔は良いんだけどなぁ。騎士団よりあっち系の仕事の方が向いてるんじゃないかな……」

そう言いながらもエバルフは表の広場に出てカレンの剣?の相手をするのだった。

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